会社経営をしていると、「売上はあるのにお金が足りない」と感じることはありませんか?
それを防ぐために必要なのが「資金繰表(しきんぐりひょう)」です。
今回は、資金繰表とは何か、そしてなぜ経営者にとって欠かせないツールなのかをご紹介します。
資金繰表とは?
資金繰表とは、会社の「現金の動き」を時系列で把握する表です。
例えば、いついくらの入金があり、どのタイミングで支払いや返済が発生するのか。
1ヶ月後、3ヶ月後に手元の資金がいくら残っているかを予測することができます。
決算書のように「作成義務」はないが、だからこそ差がつく
資金繰表は、法律で作成が義務付けられている書類ではありません。
決算書や税務申告書のように必ず作らなければならないものではないため、多くの中小企業ではそもそも作っていないのが実情です。
しかし、だからこそ――
「資金繰表をきちんと作っている」というだけで、財務管理への意識が高い会社として差別化が図れます。
金融機関や取引先にとっても、「この会社はお金の流れをちゃんと把握している」と好印象を与えることができ、信用にもつながります。
なぜ資金繰表が必要なのか?
1. 「黒字倒産」を防ぐ
黒字なのに倒産する、いわゆる「黒字倒産」は資金繰りの悪化が原因です。
売上が上がっていても、回収が遅れたり、支払いが先に来たりすると、資金ショートにつながります。
資金繰表を使えば、数ヶ月先の資金不足に早く気づき、対策を打つことができます。
2. 金融機関との信頼構築に役立つ
資金繰表を毎月きちんと作成していれば、銀行などの金融機関に対して「財務管理ができている会社」と評価されます。
資金調達をスムーズに進めたい企業にとっては、資金繰表は大きな武器となります。
3. 意思決定のスピードが上がる
「今、設備投資をしても大丈夫か?」「来月の賞与をどうするか?」といった判断をする際に、手元資金が明確であれば即断即決が可能です。
資金繰表は、経営の羅針盤といっても過言ではありません。
資金繰表は「未来」を見るための道具
損益計算書や貸借対照表が過去や現在を表すものであるのに対し、資金繰表は未来を可視化するツールです。
特に売上が急拡大している企業、借入金が多い企業、取引先との支払サイトが長い業種などにとっては、資金繰表は生命線となります。
経営者自身が“数字”を理解するために
吉村行政書士事務所では、ただ資金繰表を作るだけでなく、経営者自身が“お金の流れ”を理解し、判断できるようになることを重視しています。
数字が苦手な方にもわかりやすく説明し、一緒に改善策を考えることを心がけています。
まとめ
資金繰表は、法律上の義務がないからこそ、多くの会社が作っていない“盲点”ともいえるツールです。
だからこそ、きちんと作成し活用することで、他社との差別化にもつながり、経営の信頼度も高まります。
資金ショートを防ぎ、安心して経営判断をするために――
資金繰表は、会社経営に欠かせない「未来を見る経営ツール」です。