建設業は売上の波が大きく、資金繰りに課題を抱えるケースが多く見られます。今回は、実際に当事務所が支援した建設会社様の事例をご紹介しながら、建設業に特有の資金管理方法や短期融資の活用について解説いたします。
この記事でわかること
財務顧問導入前の課題
支援を行ったのは、年商約2.5億円、熊本県内で土木工事を中心に手がける建設会社様です。
現場の受注は安定している一方で、外注費や材料費の支払いが先行し、入金は2〜3ヶ月先という構造の中で、資金繰りが慢性的にひっ迫し、特に以下のような状況が見られました。
- 資金繰表の未作成
- 複数口座の資金が分散し、全体把握が困難
- 月末・翌月10日までの支払スケジュールが曖昧
- 金融機関との融資交渉は都度対応で計画性なし
導入後の改善内容
弊所が財務顧問として介入したのは、金融機関からの追加融資を断られたタイミングでした。
まずは直近6ヶ月分の入出金をもとに、週単位の資金繰表を構築。そのうえで金融機関向けの融資シミュレーションと支払計画書を整備しました。
結果として、以下のような改善が見られました。
- 運転資金600万円の短期融資が承認
- 資金繰りの見通しが共有され、社員の発注判断が早くなった
- 口座管理が一元化され、社内でも資金状況が把握しやすくなった
- 売上と入金タイミングに応じた予測が可能に
「借りる」ための資料ではなく、返せる根拠を提示する財務戦略が融資の成功要因でした。
建設業における短期融資の活用
建設業では、現場ごとに売上と支出のタイミングがズレるため、スポットでの短期運転資金が必要となる場面が多くあります。
その一方で、金融機関は事前に明確な資金計画や返済見通しを求めるため、「とりあえず借りたい」では通用しません。
弊所では、以下のような資料を整備し、金融交渉をサポートしています。
- 資金繰表(月次・週次)
- 工事別収支一覧
- 支払・入金のタイミング表
- 短期融資後のキャッシュフローシミュレーション
これらをもとに、「なぜ今この金額が必要か」「返済原資はどこか」を可視化することが、融資承認への近道です。
まとめ:資金繰り改善に必要な視点とは
建設業の資金繰りは複雑で、単に売上や利益だけを見ていても判断を誤ります。
重要なのは、資金の出入りのタイミングを把握し、計画的に動くことです。
吉村行政書士事務所では、建設業をはじめとした中小企業の経営者様に寄り添い、「数字の右腕」として現場に合った財務支援を行っています。
資金繰りや融資にお悩みの建設業経営者様は、ぜひお気軽にご相談ください。初回相談は無料です。